『水糸』

更新日:2018/03/09

『水糸』って、ご存知でしょうか?
『みずいと』って、読みます。

下の写真のような糸管にナイロン製の黄色い糸が50mぐらいグルグル巻きにされて、1個400円ぐらいで、ホームセンターで売っています。
糸の太さは、1mmぐらいあって、しっかりしていて、丈夫です。

身近なところで言うと、戸建住宅の基礎工事が始まる段階でよく目にしますね。

戸建住宅の基礎工事を行う前に、建物位置を出すために『遣り方(やりかた)』という仮設物をつくります。
下の写真で木の板(水貫)と杭(水杭)を使って、組んでいるものを総称して、遣り方 といいます。

水糸は、写真では目を凝らしてみないと、ちょっと分かり難いので、写真に赤い点線を付け加えてみました。

ちなみに、『水貫』は、『みずぬき』と読みます。水貫はGLから一定の高さで水平に取り付けます。
『水杭(みずくい)』は水貫を固定するための杭です。
下記の図は、一般的な基礎の断面図です。建物の高さを考える際には、GL(グランドライン)を設定します。
例えば、土をどこまで掘ったらいいのかを現場の職人さんに指示する際、
設計図面上で基礎の底までの深さは『GL-250mm』だったときに、
水貫を『GL+400mm』に取り付けることで、『水貫から650mm掘ればいいんだな。』ということがわかります。

設計図面上で見ていたものを敷地に落とし込む際に、どこに建物が建つのかが分からなければ、
建物の基礎をつくることが出来ないので、その準備として、遣り方を組んで、建物の通り芯を出していきます。

通り芯を出す為に、木の板の上に釘を打ち、水糸が緩まないように引っ張って釘に取り付けます。
この作業を『水糸を張る』と言います。
よく現場監督が基礎工事を始める前に建物の位置が合っているかどうかを確認する為に、職人さんに対して、
「遣り方を組んで、水糸を張っといて」と指示をします。そして、正しい位置に建っているかを確認します。

建築工事では、水貫、水杭、水糸、といった感じで『水』という言葉が使われます。
それぞれの正式な由来は分かりませんが、
水平を取るための貫だから、水貫。
水平を取るための杭だから、水杭。
水平に張った糸だから、水糸。
なのではないでしょうか。