『東京湾大華火祭と御手洗』

更新日:2015/08/21

一目瞭然ですが、花火を見に行ってきました。
カミさんが招待券をもらったので、いそいそと浜離宮へ。
浜離宮に来たのは20年ぶりくらいです。
「まだあるかなぁ。」「あるんじゃないの。」と話をしつつ、
中の御門から潮入りの池へ進んでゆくと・・・

あった。ありました。ちゃんと建ってました。

そう、お手洗いです。
このタイミングで写真を撮るのは世間的にどうかと思いましたが、
暗くなる前にと、思いきって写真を撮りました。

かつて設計事務所に勤めていた頃に、
お役所からの営繕仕事として浜離宮庭園の御手洗の設計をしたのです。
「庭園にふさわしい和風建築とし、屋根はむくりで一文字瓦葺きとし、
トップライトを設けること」というオーダーだったと思います。
当時、古民家の解体・移築などを手掛けていましたので、
割合スムーズにイメージを固めることができました。

建物は木造平屋建てですが、屋根に特徴がありますので少し解説します。

1、トップライト
屋根の頂点にトップライトを設けていますが、これは古民家にある「越屋根」をイメージしたものです。

2、一文字瓦葺き
軒先を銅板平葺きとして、その上に瓦を一直線に葺いています。 和瓦屋根の中でもかなり高級な葺き方です。

3、屋根のむくり
切り妻屋根ですが、破風(屋根の正面のライン)が少し丸くカーブを描いています。
このカーブを「むくり」と云います。
この屋根の「むくり」は、軒桁から棟にかけて母屋ごとに徐々に勾配率が変化するちょっと難しい曲線です。
手書きで設計していた頃ですので、カーブを描くにはふつう「雲形定規」を使うのですが、
既成品ではジャストフィットする曲線が得られませんでした。
そこで、「むくり」を構成するラインを計算によって幾つもの点として求め、
その点と点をつないで曲線を描き、その曲線に合わせてアクリル板を切り取って専用の定規を作りました。
矩計図や立面図はその手作りの定規で描いたのです。

浜離宮庭園は管理・メンテナンスがしっかりしていて、御手洗は今も現役で使われていました。
すごくうれしかったです。
とっぷり暮れ、盛大に打ちあがる花火を見ながら、昔話にも花が咲きました。

以上です。